傾向分析においてのスワップポイント分の補正

バックテストにスワップポイントが付与されるということを見落としていました。それによって長期バイアスと思っていた部分を再確認したいと思います。

ただし詳細計算できない部分もありますので、一部は概略となっています。

USDJPY傾向分析時のスワップポイント

以前USDJPYをはじめ、複数の通貨ペアで傾向分析をしてきました。

USDJPY日足トレンド傾向分析2

しかし当時の分析にはスワップポイントを含んだ合算でバイアスの評価をしていたため、スワップポイントによる影響がどの程度あるかを改めて検証しました。

当時のMT4環境がそのまま残っていましたので、通貨プロパティより確認した数値は以下のものでした。

  • 買いスワップ:5.5639USD
  • 売りスワップ:-10.4098

10万通貨に対して付与されるスワップポイントになります。

1日ポジションを持っているため、必ずスワップが発生していることになります。

詳細な計算は以下になります。

5.5639USD / (10万通貨/1000通貨) = 0.055639USD

-10.4098 / (10万通貨/1000通貨) = -0.104098USD

これらを3565回の取引分で計算します。

0.055639USD × 3565回 = 198.35USD

さらに休日分のスワップをプラスするため、単純に7(1週間)/5(平日)を掛けます。

198.35USD × (7/5) = 277.69USD

上記がスワップによる利益分になります。

単純な値動きに対しての分析としたいため、余分な要素をできるだけ除外するようスプレッド分も補正します。

スプレッドは2でテストしていましたので、

-0.002円 × 1000通貨 / USDJPYレート(概数として100とします) = -0.02USD

これをスワップ同様に取引回数分発生させます。

-0.02USD × 3565回 = -71.3USD

スワップとスプレッドの効果を除外するには反対の計算を行います。

-277.69(スワップ)+ 71.3(スプレッド) = -206.39USD

上記を損益に対して補正すると単純な値動きのみの評価になります。

売り側は

-0.104098USD × 3565回 × (7/5) = -519.553118USD

となりスプレッド分を含めると

+519.553118(スワップ) + 71.3(スプレッド) = +590.853118USDとなります。

USDJPY傾向分析の基本取引買いに対する補正結果

当日の始値で買いポジションを持ち、翌日始値で手仕舞いした場合の損益は133.34USDでしたので、

133.34USD(損益) – 206.39USD(補正分) = -73.05USD

上記が補正後の結果となります。

結果、値動きに対しては上昇バイアスはなかったということになります。

USDJPY傾向分析の基本取引売りに対する補正結果

当日の始値で売りポジションを持ち、翌日始値で手仕舞いした場合の損益は-505.22USDでしたので、

-505.22USD(損益) + 590.853118USD(補正分) = 85.633118USD

上記が補正後の結果となります。

値動きに対しての下降バイアスが若干あるといった結果になりました。

スワップポイント補正についてのまとめ

バックテスト結果にバックテスト開始時のスワップポイントが付加されていたため、USDJPY傾向分析2においてはスワップを含んでの優位性の結果となっています。

よって、傾向分析による優位性は値動きではなくスワップポイントによる影響が大きくなっています。

スワップはバックテスト開始時のスワップポイントを基準として1日またいでポジションを持つと発生しますので、テスト結果は当時のスワップポイントではないため、正確なものではなくなります。

上昇方向に優位で、かつトレンド傾向があるということで、EAを作成していますが、スワップによる収入が多数を占めるのであるならば、政策金利の変動を注意深く見ていく必要があります。

政策金利については以下のサイトが参考になります。

参考 政策金利一覧・FX統計データ外為どっとコム

上昇方向への優位性を含んでベットしている場合、通貨ペアにおける政策金利の関係性の変化によってはスワップポイントも変化するためパフォーマンスに影響を及ぼします。

私の作成したEAではポジション保有期間によって変化が大きくなりますが、プラススワップ分の影響は損益に対し5~20%が含まれていました。

バックテスト時点のスワップポイントを記録しておき、市場の変化を見ていくことが必要ではないかと思います。

日足EAの場合は、スワップによる影響が短期EAに比べて大きくなりますので注意が必要です。

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